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イーゴリ遠征物語

1185年のノヴゴロド・セヴェルスキー公イーゴリのポロヴェツ遠征と敗北を題材とする、12世紀末の古東スラヴ語の叙事詩。『イーゴリ軍記』『イーゴリ遠征譚』とも訳される。ルーシの諸公に団結を呼びかける政治的な訴えを主題とし、中世ロシア文学の頂点と評される。

神話研究における価値は、キリスト教受容から二百年を経た作品でありながら、異教の神々の名を比喩として用いている点にある。ルーシの人々は「ダジボーグの孫」と呼ばれ、風は「ストリボーグの孫たち」と呼ばれる。ただし写本は1800年の刊行後、1812年のモスクワ大火で焼失した。真作性をめぐる論争が長く続いたが、言語学的な検討により中世の作とする見方が現在の大勢である。

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