ヴァジンバ
ヴァジンバ · Vazimba
マダガスカルで島の最初の住人とされる人々で、多くは小柄な人々として語られる。実在の先住集団の記憶とする説と神話上の存在とする説があり、考古学と遺伝学の証拠は明瞭でない。その墓とされる場所は土地の霊として祀られ、メリナ王家の伝承にも現れる。
解説
概要
ヴァジンバは、マダガスカルで広く信じられている伝承で、島に最初に住んでいたとされる人々である。一般の人より背が低い人々として語られることが多い。後から来た人々に追われ、あるいは混じり合って姿を消したとされるが、実在の先住の集団の記憶なのか、神話上の存在なのかは分かっていない。今日、ヴァジンバのものとされる墓や石は、土地の霊として各地で祀られている。アフリカの体系に含めて扱う。
先住者か神話か
ヴァジンバの姿についての語りは地域によって異なるが、多くは小柄な人々とされる。そのため、アフリカ大陸から渡ってきた小柄な人々であったとする説を唱える研究者もいる。一方、マダガスカルに人が住みはじめたのは紀元前後とされるが、考古学の調査では、ヴァジンバにあたる集団は確かめられていない。マダガスカルの人々の遺伝的な構成は、東南アジアと東アフリカに由来する人々の混じり合いであり、それ以外の第三の集団の痕跡ははっきりしない。
「先に住んでいた小さな人々」という伝承は、ハワイのメネフネやアイヌのコロポックルにも見られる。
土地の霊になる
ヴァジンバのものとされる墓や石は、各地で祀られ、その土地の霊として豊穣や雨が祈られる。後から来た人々が、先に住んでいた人々の霊を土地の主として祀っている。
王家との関わり
中央高地に栄えたメリナ王国の伝承では、初期の女王ランギタとラフヒはヴァジンバであったとされ、ラフヒの子アンドリアマネルが鉄の穂先の槍でヴァジンバを追い払ったと語られる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
ザナハリを至高神とする信仰のなかで語られる。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。