サクパタ
サクパタ · ショポナ · シャポナ
ヨルバの天然痘の神ショポナのダホメ(フォン)での名で、大地と健康と天然痘の神。祭司が天然痘を意図的に広めているとの疑いから、1907年にイギリス植民地政府が崇拝を禁じた。新大陸ではババルアイエとして知られる。
解説
概要
ショポナ(シャポナとも)は、ヨルバの宗教における天然痘の神で、ダホメ(フォン)の宗教ではサクパタ、シャクパナなどと呼ばれる。ヨルバの神格オバルアイエの復讐する相とみなされ、ヨルバの人々が奴隷貿易によって新大陸へ運ばれると、アメリカ大陸で発展したオリシャの宗教のなかで、ババルアイエをはじめ多くの名で知られるようになった。アフリカの体系に含めて扱う。
信仰
ナイジェリアのヨルバの伝統宗教では、天然痘はショポナの「神的な不興」によって人にもたらされる病と信じられた。天然痘の神の公式な崇拝は、その祠を預かる特定の祭司たちによって厳しく統制されていた。20世紀初めより前、この宗教の人々は、祭司が怒れば、ショポナとの深い結びつきによって天然痘の流行を起こすことができると信じていた。
ショポナの名は秘された禁忌の名とされ、感染症の主の力を敬って声に出さない。そのため、オモルなど多くの別名や称号が前近代から用いられてきた。
医師オグントラ・サパラは、祭司が意図的に病を広めているのではないかと疑い、ひそかに教団に加わった。そして、祭司たちが天然痘の患者の発疹から削り取ったものを用いて病を起こしていることを突き止めた。この情報をもとに、イギリスの植民地政府は1907年にショポナの崇拝を禁じたが、禁止ののちも信者たちはこの神に敬意を払い続けた。
ダホメの宗教では、サクパタは大地と健康と天然痘の神で、人に狂気や病を与えることも、それを癒すこともできるとされる。フォン、エウェ、アジャなどグベ語を話す人々のあいだでサクパタの名で知られ、その地域はナイジェリア南西部からガーナのヴォルタ州にまで及ぶ。
図像と象徴
主画像は、伝統的な治療者が作った木彫のショポナ像で、猿の頭骨や子安貝、釘などが重ねて飾られている。米国疾病予防管理センター(CDC)の収蔵品である。
系譜と関係
オバルアイエの一相とされ、新大陸ではババルアイエ、オモルとして知られる。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。