ニャメ
ニャメ · オニャメ · オニャンコポン
ガーナのアカン人の至高の天空神で、名は「すべてを知り見る者」を意味する。かつて天は低かったが、老女が餅を搗く杵で突いたため天を高く上げて去ったという。像には表されず、三叉の枝の祭壇に水を供える。
解説
概要
オニャメ、ニャンコポン(オニャンコポン)あるいはオドマンコマは、ガーナのアカン人の至高神であり、最も一般にはニャメとして知られる。
その名はアカン語で「すべてを知り見る者」、そして「全知全能の天空神」を意味する。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
名
ニャメは、いくつもの名で呼ばれる。オドマンコマは「創造者」を意味し、その名を形づくる二つの部分、「状態」あるいは「宇宙」を意味するドムと、「ただひとり与える者」を意味するアンコマの字義から、「ただひとり与える者」と解されている。オニャンコポンは、「偉大なるただひとりのニャメ」を意味する。一柱の神が複数の名を持ち、それぞれがその異なる姿を表しているのである。
天が遠ざかった理由
アカンの伝承によれば、かつて天は低く、人は手を伸ばせば触れることができた。
しかしある老女が、フフ(餅状の主食)を搗くたびに杵で天を突いた。煩わしく思ったニャメは、天を高く上げて去った。
老女は子らに臼を積み上げさせ、天まで届かせようとした。あと一つで届くというとき、臼が足りなくなった。老女は「一番下の臼を抜いて上に置け」と命じた。臼はすべて崩れ、多くの者が死んだという。
神が遠ざかる理由が、日常の家事にあるという点が注目される。壮大な罪ではなく、繰り返される小さな煩わしさが原因である。
至高神と祭祀
ニャメは至高神であるが、直接に祀られることは少ない。祭壇は「ニャメ・ドゥア」(神の木)と呼ばれる三叉の枝を立てたものであり、そこに水を入れた器を置く。
実際の祭祀は、アサセ・ヤ(大地)と、アボソム(下位の神霊)に向けられる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。アカンの人々の伝統では、至高の神を像に表すことはない。アディンクラと呼ばれる図案の一つ「ニャメ・ビリビ・ウォ・ソロ」(神は天に何かを持っている)は、希望を表すもので、ガーナの布や工芸品に広く用いられている。
関わる神格・伝承
文化的足跡
アディンクラ文様におけるニャメへの言及は、今日もガーナの日常の意匠に生きている。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。