リキュムニオス
リキュムニオス · Licymnius · Likymnios
エーレクトリュオーンの庶子でアルクメーネーの異母兄弟、ヘーラクレースの叔父。兄弟が全滅した戦いで唯一生き残り、老年にヘーラクレースの子トレーポレモスに殺された。
解説
概要
リキュムニオス(Λικύμνιος / Likymnios)は、ミュケーナイ王エーレクトリュオーンの庶子で、アルクメーネーの異母兄弟、すなわちヘーラクレースの叔父にあたる。老年になって、ヘーラクレースの子トレーポレモスに殺された。
神話・物語
母はエーレクトリュオーンに買われたプリュギアの女ミデアである(アポロドーロス2.4.5)。タポス王プテレラーオスの子らがエーレクトリュオーンの牛を奪おうとして戦いになったとき、王の息子たちは一人を除いてみな討たれた。生き残ったのは、まだ幼かったリキュムニオスだけであった。
その後アムピトリュオーンが誤ってエーレクトリュオーンを殺し、ステネロスにアルゴスを追われると、リキュムニオスはアルクメーネーとともに彼に従ってテーバイへ移った。テーバイの王クレオーンは、姉妹ペリメーデーを彼に妻として与えた。
子の一人オイオーノスは、ヘーラクレースに伴われてスパルタへ行き、ヒッポコオーンの子らに殺された。ヘーラクレースがスパルタを攻めてヒッポコオーン一族を滅ぼしたのは、この仇討ちのためとされる。
リキュムニオス自身は、年老いてアルゴスに住んでいたとき、ヘーラクレースの子トレーポレモスに殺された。『イーリアス』第2巻は、トレーポレモスが「父の叔父リキュムニオス」を殺してロドス島へ逃れ、そこに三つの町を築いたと語る。故意ではなく、トレーポレモスが召使いを打とうとして振るった杖が、あいだに入った老人に当たったとする伝えもある(アポロドーロス2.8.2)。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はエーレクトリュオーン、母はミデア。異母姉にアルクメーネー。妻はペリメーデー(クレオーンの姉妹)。子はオイオーノス、アルゲイオス、メラース。甥にヘーラクレースとイーピクレース。
文化的足跡
ティーリュンスの城塞は、ストラボーン(8.6.11)によればリキュムナと呼ばれ、この人物の名と結びつけられていた。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。