レグバ
パパ・レグバ · レグバ · エレグバラ
フォンのヴォドゥンとハイチのヴォドゥなどで、十字路に立って神々と人のあいだの門を開く神霊。あらゆる儀礼の最初に呼び出され、彼が門を開かなければ他の神霊は応じない。すべての言語を解するとされる。ヨルバのエシュに起源をもち、ハイチでは杖をつく老人の姿で表される。
解説
概要
レグバ(パパ・レグバ)は、西アフリカのフォンのヴォドゥンと、その流れをくむハイチのヴォドゥ、ドミニカのヴドゥ、ルイジアナのヴードゥーなどで祀られる神霊(ロア)で、神々と人とのあいだを仲介する。ヨルバのエシュ(エレグバ)に起源をもつ。アフリカの体系に含めて扱う。
職能
レグバは霊的な十字路に立ち、人と神々のあいだの門を開く。いかなる儀礼も、まずレグバに祈って始まり、彼が門を開かなければ、他の神霊は応じないとされる。ハイチでは、ギネー(祖霊と神霊の国)の霊たちと語る許しを与え、あるいは拒む者である。
あらゆる人間の言語を話すと信じられ、意思疎通と言葉と理解を助ける。ハイチでは偉大な雄弁家とされる。
エシュとの関係
ヨルバのエシュ(エレグバラ)がフォンに伝わってレグバとなり、大西洋を渡ってパパ・レグバとなった。ヨルバのエシュが若く活発なトリックスターとして語られるのに対し、ハイチのレグバは杖をつく老人の姿で表される。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、儀礼で地面に描かれるレグバのヴェヴェ(図形)である。杖、麦藁帽、パイプを持ち、犬を伴う姿で描かれる。
系譜と関係
エシュと同源。キリスト教の聖ペトロと習合し、天国の鍵を持つ聖人と門を開く神霊とが重ねられた。
文化的足跡
十字路で悪魔に魂を売るというブルースの伝説との関連が論じられることがあるが、直接の系譜は確かめられていない。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。