ヘイツィ・エイビブ
ヘイツィ・エイビブ · ゲイツィ · ハイツェ・アイベブ
コイコイ人の神話上の英雄にしてトリックスター。処女から生まれ、何度も死んで何度も蘇る。南部アフリカ各地に「ヘイツィ・エイビブの墓」と呼ばれる石塚があり、旅人は石や枝を投げて敬意を示した。悪しきガウナブと戦った。
解説
概要
ヘイツィ・エイビブ(ゲイツィ、ハイツェ・アイベブとしても知られる)は、コイコイ人の神話における神話上の英雄の姿である。
ときにトリックスターとして描かれ、ガウナブ、ツイ・ゴアブとともに、コイコイの民間伝承における中心的な人物である。
変身に加え、ヘイツィ・エイビブはコイコイの物語においてトリックスターとして描かれる。欺く者であり、繰り返し蘇り、ときに不道徳やその他の逸脱も辞さない。これらの後者の物語は、英雄の主題を大きく越えている。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
繰り返し死んで蘇る
ヘイツィ・エイビブの最も際立った特徴は、何度も死に、何度も蘇ることである。
南部アフリカの各地に「ヘイツィ・エイビブの墓」と呼ばれる石塚がある。旅人はこれを通るとき、石や枝を投げ、あるいは唾を吐いて敬意を示した。
墓が複数ある。 一人の英雄の墓が各地にあるという事態は、繰り返し死ぬという伝承に対応する。あるいは、石塚の習俗が先にあり、それを説明するために物語が作られたとも考えられる。
誕生
伝承によれば、ヘイツィ・エイビブは処女から生まれた。母は牧草を食べて身ごもったという。
自ら死んで、自らの母を身ごもらせて再び生まれるという版もある。死と再生の円環が、系譜として語られる。
ガウナブとの戦い
ガウナブは、コイコイの神話における悪しき存在である。ヘイツィ・エイビブはこれと戦い、繰り返し倒した。
ガウナブは死者の魂を捕らえる者とされ、赤い空(夕焼け)はその血であるという。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。石塚が、この英雄を表す唯一の物である。
関わる神格・伝承
ガウナブと戦った。ツイ・ゴアブと並ぶコイコイの中心的な存在。サン人のカッゲンと同じくトリックスターである。
文化的足跡
ヘイツィ・エイビブの物語は、19世紀の宣教師と旅行者によって記録された。コイコイの言語と伝承の多くは今日失われており、これらの記録が主要な資料である。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。