和合二仙
和合二仙 · 和合神 · 寒山拾得
唐代の僧寒山と拾得を合わせた、和やかさと喜びを司る二人の仙人。夫婦の円満と良縁の神として親しまれ、蓮(荷)と箱(盒)を持つ少年の姿で描かれる。清の雍正帝が二人を和聖・合聖に封じた。
解説
概要
和合二仙(和合二聖とも)は、中国の民間信仰で和やかさと喜びを司る二人の仙人で、唐代の名僧寒山と拾得を合わせた呼び名である。二人の情が深く睦まじかったことから、世の友情や恋人たちの情を末長く保つと信じられ、夫婦の円満と良縁の神として親しまれてきた。髪を総角に結った二人の少年の姿で描かれ、一人は蓮の花(荷)を、もう一人は蓋つきの箱(盒)を持つ。荷と盒の音が「和」と「合」に通じる。中国神話・道教の体系に含めて扱う。
信仰
和合の神の古い形は、唐代の僧万回とされ、遠方にいる兄を訪ねて一日で往復したという伝承から「万回」と呼ばれた。のちに寒山と拾得の二人が和合二仙とされるようになり、清の雍正帝は寒山を「妙覚普度和聖寒山大士」(和聖)、拾得を「妙覚普度合聖拾得大士」(合聖)に封じた。寒山は文殊菩薩の、拾得は普賢菩薩の化身とも伝えられる。
寒山は唐代中期から後期の詩僧で、天台山の寒巌に隠れ住み、『寒山子詩集』が伝わる。拾得はもと捨て子で、天台山国清寺の豊干禅師に拾われて育ち、のちに国清寺の僧となって食堂の香灯を司った。二人は無二の友で、拾得は残り物を竹筒に入れて寒山に持たせたという。二人は蘇州の普明院に住して仏法を広め、のちに普明院は二人を記念して寒山寺と改められたと伝えられる。
図像と象徴
主画像は、香港芸術館に収蔵される和合二仙の磁器の像である。
系譜と関係
寒山と拾得、それに豊干の三人は「国清三隠」と呼ばれる。
文化的足跡
和合二仙の図は、中華圏の婚礼の飾りとして今日も用いられている。1997年に香港特別行政区の成立を記念して発行された2香港ドル硬貨には、和合二仙の図柄が用いられた。
なお道教と中国の民間信仰は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。