コピル
コピル · Copil
アステカ神話で、女神マリナルショチトルとマリナルコの王チマルクアウトリの子。母を置き去りにした叔父ウィツィロポチトリに復讐を図ったが、その命を受けたメシカに討たれた。沼に投げ込まれた心臓からノパルが生え、テノチティトラン建設の徴となった。
解説
概要
コピルは、アステカ神話において、女神マリナルショチトルとマリナルコの王チマルクアウトリのあいだに生まれた子である。母を置き去りにした母の兄ウィツィロポチトリに復讐しようとして討たれた。その心臓から生えたノパル(ウチワサボテン)が、メシカがテノチティトランを築く場所の徴となったと語られる。
神話・物語
マリナルショチトルは、メシカの移住の途上、兄ウィツィロポチトリの指図によって、眠っているあいだに置き去りにされた。のちに彼女はマリナルコの王チマルクアウトリとのあいだにコピルをもうけた。
成長したコピルは、母が置き去りにされたことの復讐を求めた。メシカがチャプルテペクに野営していたとき、コピルは叔父ウィツィロポチトリに立ち向かい、周辺の部族を煽ってメシカと戦わせた。
コピルがペニョン・デ・ロス・バニョスの丘でその戦いを見ようと待っていたところを、ウィツィロポチトリの命を受けたメシカが討った。手を下したのは神官クアウトレケツキで、彼はのちにコピルの娘シコモヨワルを妻とした。
コピルは首を落とされ、首は丘の上に、ついでテスココ湖の岩場に置かれた。心臓は抉り出されて沼に投げ込まれ、そこからノパルが生えた。メシカがテノチティトランを築くよう徴を与えられたのは、この場所であった。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
母はマリナルショチトル、父はマリナルコの王チマルクアウトリ。母の兄ウィツィロポチトリは叔父にあたる。娘シコモヨワルは、コピルを討った神官クアウトレケツキの妻となった。
文化的足跡
メキシコの国旗と国章の中央には、ノパルの上に留まる鷲が描かれ、テノチティトラン建設の徴を表している。
「テノチティトラン」の名は、テトル(石)とノチトリ(ウチワサボテンの実)を含み、「石の上のウチワサボテンの地」などと解される。
なおメソアメリカの先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。