アンマ
アンマ · Amma
マリのドゴンの至高の創造神。大地の女神と交わろうとして蟻塚に妨げられ、不完全な狐を生んだのち、蟻塚を取り除いて人を生んだと語られる。最初に造ったノンモは四組の双子に分かれた。その崇拝はバンディアガラの断崖と結びつく。
解説
概要
アンマは、マリのドゴンの宗教における至高の創造神である。両性具有的な性格を持つとされる。アフリカの体系に含めて扱う。
神話・物語
ドゴンの世界創造の物語によれば、天空神アンマは大地の女神と交わろうとしたが、巨大な蟻塚の形をした女神の陰核に妨げられて結ばれず、不完全な子、砂漠の狐あるいはジャッカルだけが生まれた。そこでアンマは蟻塚を取り除き、地上を去るにあたって女性の割礼の儀礼を定めた。蟻塚を取り除いたのち、アンマは大地の女神とともに子を生み続け、人を生んだ。
アンマが最初に造った生き物はノンモで、ノンモはまもなく四組の双子に分かれた。そのうちの一組がアンマの定めた秩序に背いたため、アンマは秩序を取り戻すために別の一体を犠牲にし、その体を切り分けて世界じゅうに撒いた。その断片が落ちた場所ごとに、アンマのための祠が建てられたという。
信仰
ドゴンの宗教では二元性が中心にあり、天の力も二重の性格を持つ。双子の誕生は、創造の原初の二重構造と、地上と天の調和を指し示すものとして、特別な儀礼で祝われる。アンマの崇拝は、ほかのドゴンの宗教と同じく、ドゴンが住むバンディアガラの断崖と深く結びつき、そこ以外では営まれない。
ドゴンの宇宙論の多くは、フランスの人類学者マルセル・グリオールとジェルメーヌ・ディテルランの記録によって知られるが、その記述がどこまでドゴン自身の伝承に基づくかについては、のちに人類学者ヴァルター・ファン・ベークらが疑問を呈している。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
ノンモを造り、大地の女神と交わって人を生んだ。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。