アガンジュ
アガンジュ · アガユ · Aganju
太陽・火・手つかずの荒野を司るヨルバのオリシャ。オヨ帝国の伝説的な王でもあり、シャンゴの父あるいは兄弟とされる。キューバのサンテリアでは火山と川を渡す者に結びつき、旅人を担いだ聖クリストフォロスと習合した。
解説
概要
アガンジュ(アフリカ系ディアスポラではアガユ、アガユとも知られる)は、ヨルバの宗教とアメリカ大陸におけるその後継の伝統におけるオリシャである。
太陽、火、そして手つかずの荒野に結びつけられた原初の神格である。キューバのサンテリアの伝統において、アガンジュは火山と結びつけられ、聖クリストフォロスと習合した。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
シャンゴとの関係
アガンジュは、歴史的にも神話的にもシャンゴと結びつく。
オヨ帝国の歴史において、アガンジュは伝説的なアラフィン(王)であり、複数の資料でシャンゴの父、あるいは兄弟、あるいは同一の存在の一相と記される。
実在の王が神になる。 オヨの王統において、アガンジュとシャンゴはいずれも王として記録される。シャンゴが雷の神になったのと同じく、アガンジュも神格化された。
歴史と神話が分かちがたい点が、ヨルバの王権の特徴である。
職能
荒野の主。 人の住まない土地、砂漠、火山を司る。文明の外側を支配する。
渡し守。 サンテリアにおいて、アガンジュは川を渡す者とされる。聖クリストフォロス——旅人を担いで川を渡した聖人——と習合したのはこのためである。
大西洋を渡った奴隷にとって、水を渡る神が特別な意味を持ったことが指摘されている。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
両刃の斧を持ち、赤と茶の衣をまとう姿で表される。九つ、あるいは十六が聖数である。
関わる神格・伝承
シャンゴと父子あるいは兄弟。オヤと結びつく。
キューバではアガユ・ソラとして、ブラジルのカンドンブレではアガンジュとして祀られる。
文化的足跡
サンテリアにおいて、アガンジュは強い力を持つオリシャとされ、その祭祀は特別な資格を要する。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。