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妖怪談義

民俗学者・柳田國男(1875〜1962)の妖怪に関する論文・随筆をまとめ、昭和31年(1956年)に刊行された著作。柳田は当初、天狗や山男を山中へ逃れた先住民の記憶とみていたが、のちにこれを退け、妖怪とは信仰を失って零落した神々であるとする見方を示した。妖怪を実在の有無から切り離し、人の心意の問題として扱う研究はここに始まる。巻末に収める妖怪名彙は各地の妖怪語彙を項目化したもので、アズキトギ(小豆洗い)やスナカケババのように、収録の多くは音や光の怪異である。妖怪研究では必読の書とされる一方、収録文の大半は昭和13〜14年までに書かれており、刊行時点の柳田の関心はすでに祖霊や神々へ移っていた。

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