民俗学者の柳田國男が昭和13年(1938年)に発表した、妖怪の語彙集。各地の民間伝承から採取した妖怪の名を項目に立て、その性質や現れ方を簡潔に記す。のちに評論集『妖怪談義』(1956年)へ収められた。塗壁、ヌリボウ、すねこすり、朧車といった、それまで学問の対象とされてこなかった土地の妖怪が、ここで初めて活字の項目として整理された。柳田は妖怪を、かつて信じられた神が零落した姿とみる視点からこれらを扱っており、妖怪研究の出発点をなす文献とされる。塗壁のように、この書の記載が事実上の初出であり、そこから全国的に知られるようになった妖怪も少なくない。
GLOSSARIUM · YŌKAI MEII