後醍醐天皇の討幕から南北朝の争乱までを描く軍記物語。十四世紀後半までに現在の四十巻の形にまとまったとみられ、作者は複数と考えられている。史実の記述に中国の故事や怪異譚をふんだんに織り込む文体が特色で、土蜘蛛退治や鵺の出現といった説話も収める。近世には太平記読みと呼ばれる講釈師が街頭でこれを語り、武士から庶民まで広く軍記の知識を共有する回路となった。史料としては潤色が多く慎重な扱いを要するが、中世の人々が歴史をどう物語ったかを知る資料としての価値は大きい。
GLOSSARIUM · TAIHEIKI