セラピスを祀る神殿・聖域の呼称。最も有名なのはサッカラのセラペウムで、アピス牛を葬る地下墓所である。新王国期からプトレマイオス朝末までおよそ千四百年にわたり、少なくとも六十頭が葬られた。ラメセス2世の子カエムワセトが「小地下墓」を、プサメティコス1世が「大地下墓」を穿ち、後者は全長約350メートルに達する。後期以降の石棺は蓋だけで25トンを超え、砂を使って室内へ降ろされた。1850年にオーギュスト・マリエットが再発見し、各牛の生没年を記す奉献碑が19世紀エジプト年代学の基礎資料となる。アレクサンドリアのセラペウムは391年前後にキリスト教徒によって破壊された。
GLOSSARIUM · SERAPEUM