密教が立てる尊格論で、一つの仏が三通りの姿をとって働くとする。自性輪身は悟りの境地そのものを体現した如来の姿、正法輪身はその真理を平易に説く菩薩の姿、教令輪身は教えに従わない者を恐ろしい相で威し、力ずくで引き戻す明王の姿である。不動明王が大日如来の教令輪身とされるのが代表例で、五大明王はそれぞれ五仏の教令輪身にあたる。恐ろしい尊格と穏やかな尊格を別々の神格として並べるのではなく、同一の仏の働きの違いとして統合する枠組みであり、密教の尊格体系を理解する鍵となる。
GLOSSARIUM · SANRINJIN