4世紀から6世紀ごろのアイルランドと西ブリテンで用いられた文字体系。オガム文字とも。石柱の縁の稜線を基準線とし、その左右あるいは横断方向に一本から五本の刻み目を入れて音を表す。現存する碑文は約四百点で、大半は「某の子某」という形の人名を記した墓標や境界標である。ラテン文字の知識を前提に考案されたとみられ、初期アイルランド語の音韻を知る第一級の資料となっている。中世の写本『オガム便覧』は、発明者をオグマとし、その名を樹木の名で呼ぶ体系を伝えるが、これは後代の学問的な整理を含む。
GLOSSARIUM · OGHAM