16〜19世紀のユカタン各地で、マヤ人の書記がユカテク・マヤ語をラテン文字で綴って書き継いだ写本の総称。チュマイェル、ティシミン、マニ、カウアなど、伝来した村の名で呼び分ける。書名は、征服を予言したと伝えられる祭司の名にちなむ。チラムは「口寄せ・預言者」、バラムは「ジャガー」を意味する。
内容は予言と暦、年代記、薬方から、聖書やスペイン語文献の翻案までを含み、写本ごとに異同が大きい。征服後にマヤ人自身の手で残された数少ない文献である一方、植民地期の混成物でもある。ある記述をどこまで先スペイン期に遡らせられるかは、写本ごとに吟味を要する。