ンボンボ
ンボンボ · ブンバ · Mbombo
コンゴのクバ人の創造神。初め独りで闇と水だけの世界にあり、激しい腹の痛みから太陽・月・星を吐き出し、次いで九つの動物と人を吐いた。創造が意図的な行為でなく苦痛の結果として起きるという特異な神話。
解説
概要
ンボンボ(ブンバとも呼ばれる)は、現在のコンゴ民主共和国にあたる中央アフリカのクバ人の宗教と神話における創造神である。
ンボンボの創造神話において、ンボンボは巨人の姿で、白い色をしていた。この神話は、無からの宇宙の創造を描く。
なお本サイトの分類では、アフリカの体系に含めて扱う。
神話
ンボンボの創造の物語は次のように語る。
初め、ンボンボは独りであり、闇と原初の水が大地を覆っていた。ンボンボは激しい腹の痛みを覚え、太陽、月、星を吐き出した。
太陽が輝き、水が蒸発して雲となり、乾いた丘が現れた。
ンボンボは再び吐き、九つの動物——豹、鷲、鰐、小魚、鷺、甲虫、山羊、蒼鷺、そして人——を吐き出した。
これらから、他のすべての生き物が生じた。鷺が鳥を、鰐が蛇と蜥蜴を、山羊が角のある獣を、甲虫が虫を生んだ。
吐くことによる創造
創造が嘔吐によって行われるという点が、この神話を規定する。
作るのでも、生むのでも、言葉によるのでもない。腹の痛みに耐えかねて吐き出したものが世界になる。
創造が意図的な行為でないという理解である。神は世界を作ろうとしたのではなく、苦痛の結果として世界が生じた。
世界の起源が偶然である。 この神話は、アフリカの創造神話のうちでも特異な位置を占める。
三人の子
ンボンボには三人の子があり、それぞれ創造を完成させようとした。
一人は白蟻を作り、白蟻は死んで、その死骸が大地の土になった。一人は植物を作った。一人は鳶を作ったが、それは失敗であった。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
クバ王国は、精緻な木彫と織物で知られる。王の肖像彫刻(ンドップ)が有名だが、創造神の像はない。
関わる神格・伝承
ブンバとも呼ばれる。バントゥ諸族の創造神の一。
文化的足跡
ンボンボの創造神話は、アフリカの宇宙生成論を論じる文脈でしばしば引かれる。嘔吐による創造という主題が、その特異さで注目される。
なおこれらの宗教は今日も信仰されている生きた伝統であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。