エラトス
エラトス · Elatus · Elatos
ギリシア神話の人物の名。アルカディア王アルカスの子でエラテイア創建者、ラピテース族の一人、そしてヘーラクレースの毒矢に貫かれた矢がケイローンに当たる原因となったケンタウロスが知られる。
解説
概要
エラトス(Ἔλατος)は、ギリシア神話の人物の名である。主として三人が知られる。
同名の人物たち
アルカスの子。 アルカディアの王アルカスの子で、アザーンとアペイダースの兄弟。キニュラースの娘ラーオディケーとのあいだに、アイピュトス、ペレウス、キュレーン、イスキュス、ステュムパーロスをもうけた。
アルカスが籤で国土を三分したとき、キュレーネー山を得た。のちにプレギュアース人がデルポイを攻めたときはこれを守って戦い、その後アルカディアへ戻らずポーキスに移住してエラテイア市を建てた。キュレーネー山の名は子キュレーンに由来するという。
子イスキュスは、コローニスがアポローンの子を身ごもったまま交わった相手である。
ラピテース族の一人。 テッサリアのラピテース族の一人で、アンティッポスの娘ヒッパイアとのあいだにポリュペーモス——キュクロープスとは別人のアルゴナウタイ——をもうけた。カイネウス、予言者アムピュクスの父ともいう。
ケンタウロスの一人。 ヘーラクレースがポロスの洞窟で葡萄酒を開けたことから起きたケンタウロスとの戦いで、ヘーラクレースの毒矢に射られた。矢はエラトスの腕を貫き、ケイローンの膝に当たったという。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
第三のエラトスの死は、ケイローンの死の原因となる。エラトスを貫いた矢がケイローンに当たり、不死のケンタウロスが癒えぬ苦痛を負う。一人の無名のケンタウロスの死が、最も賢いケンタウロスの運命を決めている。
関わる神格・伝承
第一の父はアルカス、子はイスキュスら。第三はケイローンの負傷に関わる。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。ケイローンが毒矢に当たる場面で、矢が貫いた相手として言及される程度である。