アンクに似た記号で、環から二本の帯が垂れる。エジプト語ではテト(tyet)と呼ぶ。記号そのものは古くからあるが、遅くとも新王国期にはイシスの標章と見なされるようになった。赤い碧玉や紅玉髄で作られることが多く、その色は女神の血に擬えられている。ミイラに添える葬祭護符として用いられ、身につける者に女神の守りが及ぶとされた。『死者の書』第156章はこの護符に唱えるための呪文である。アンクが生命を、ジェド柱がオシリスの安定を担うのに対し、この記号はイシスの守りを担った。
GLOSSARIUM · TYET