ローマ市を囲む宗教上の境界線。物理的な城壁とは一致せず、建物のない帯として画された。伝承ではロムルスが鋤で溝を引いたことに始まるとされ、以後、領土を広げた一部の将帥や皇帝だけがこれを押し広げることを許された。境界の内側は平時の統治が及ぶ領域で、将軍が軍を率いて越えることは禁じられ、凱旋式の日にのみ例外が認められた。祭祀のうえでも意味を持ち、どの神の神殿を内側に置けるかは、その神が国家の古い祭祀に属するかどうかを示す指標となる。テルースの神殿がポメリウムの内側にあったこと、外来の神々の多くが外側に置かれたことは、ローマ人が自らの宗教の中心と周縁をどこで区切っていたかを物語る。
GLOSSARIUM · POMERIUM