竜が生んだ九匹の子とされる霊獣の一覧。明代の文人が、建築や器物にあらわれる伝統的な意匠を整理する枠組みとして挙げたもので、李東陽『懐麓堂集』と楊慎『升庵外集』とで顔ぶれが異なるなど、内容は一定しない。楊慎の一覧では、碑を背負う贔屓(ひいき)、棟に据える螭吻(ちふん)、鐘に鋳る蒲牢(ほろう)、獄門に描く狴犴(へいかん)、鼎に飾る饕餮などが並び、いずれも「その性質にふさわしい場所に置かれる」という説明の型をとる。古い信仰の記録ではなく、既存の意匠に後から由来を与えた分類であることに注意を要する。
GLOSSARIUM · NINE SONS OF THE DRAGON