ガリア語をはじめとするケルト諸語で、聖なる場所を指す語。語幹 nemeto- はガリアからブリタンニア、小アジアのガラティアに至る広い範囲の地名に残る(ネメトドゥルム、ドルネメトン、ウェルノデュブルムなど)。石造の神殿ではなく、樹林に囲まれた開けた聖所を指すことが多かったと考えられている。ストラボンは、ガラティアの部族会議が開かれた場所をドルネメトンと記す。ヴェゾン=ラ=ロメーヌ出土のガリア語碑文は、セゴマロスなる人物がベリサマにこのネメトンを捧げた旨をギリシア文字で綴っており、語が実際に用いられた稀な一次資料となっている。
GLOSSARIUM · NEMETON