メンフィスの主神プタハを万物の始原に据える創世神学。第25王朝のファラオ、シャバカが古文書を写させたと称する玄武岩板「シャバカ石」(大英博物館蔵)に刻まれて伝わる。プタハは心(思考)で構想し、舌(言葉)で発することで神々と世界を存在させたとされ、アトゥムの自涜や唾による創造を語るヘリオポリスの説を、より抽象的な原理のもとに包摂する構成をとる。都メンフィスの神学的優位を主張する政治的文書でもあり、言葉による創造という主題から比較宗教史でもしばしば参照される。
GLOSSARIUM · MEMPHITE THEOLOGY