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ハーヴグーヴァ

「海の靄」を意味する古ノルド語。13世紀半ばのノルウェーの教訓書『王の鏡(コヌングス・スクッグシャー)』が、グリーンランド近海の怪物として記す。体があまりに大きいため島か岩礁と見まがい、口を開けて餌となるものを吐き出すと魚が群がり、頃合いを見て顎を閉じるという。

『オルヴァル・オッドのサガ』にも同名の怪物が現れ、二つの岩と見えたものが実は顎であったと語られる。18世紀にクラーケンを記述した司教ポントピダンは、自らの記述をこのハーヴグーヴァに接続した。中世の海獣譚と近世の博物学的報告をつなぐ結節点である。

餌を吐いて獲物を誘う描写は、実際のクジラの捕食行動(トラップ・フィーディング)と一致するという指摘が2023年に発表され、注目された。中世のベスティアリに載るアスピドケローネ(島に見える巨鯨)とも型を共有する。

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