末期王朝期からプトレマイオス朝にかけて作られた呪術用の石板。中央に幼いホルスが正面を向いて立ち、二匹の鰐を踏み、両手に蛇・蠍・獅子・オリックスを掴む。その頭上にはベスの顔が据えられ、板の表裏と側面は毒を封じる呪文で埋め尽くされる。使い方が具体的で、板の上から水を注ぐと呪文の力が水に移るとされ、その水を蛇や蠍に刺された者に飲ませ、あるいは傷にかけた。最大かつ最もよく知られるのは、ネクタネボ2世の治世に作られたメテルニヒ碑板(メトロポリタン美術館蔵)である。像を拝む祈りではなく、文字そのものを液体に溶かして服用するという発想がここにある。
GLOSSARIUM · CIPPUS OF HORUS