ヘブライ語聖書に約四十回現れる語アシェラ(ʾăšērâ)のうち、多くは女神そのものではなく、木で作られ、聖なる高台に立てられた祭祀用の柱ないし聖樹を指す。生きた樹木とみる説と、様式化されたナツメヤシ型の柱とみる説がある。女神アーシラトの名と同じ語であるため、碑文の「アシェラ」が女神を指すのか祭具を指すのかは、古代イスラエル宗教史の主要な論点となっている。七十人訳はこの語をほぼ一貫して「森(ἄλσος)」と訳し、ウルガタは lucus、欽定訳は grove を当てた。そのため英訳聖書の読者は四百年以上にわたって、この語の背後に女神の名があることを読み取れなかった。
GLOSSARIUM · ASHERAH POLE