閻魔の法廷に据えられるとされる鏡。業鏡(ごうきょう)ともいう。亡者が生前に行ったことをことごとく映し出し、審理の場でそのまま示すため、いかに言い繕っても偽りはただちに露見するとされた。裁きが証言ではなく記録によって決するという発想は、生死簿を繰る閻羅王の官僚的な法廷像とよく対応している。日本の閻魔堂や地獄絵にはこの鏡がしばしば描かれ、司録・司命の書記とともに法廷の必須の道具立てとなった。中国の十王図では鏡を業秤(ごうしょう)と組み合わせ、罪の重さを量る場面として描く例も多い。
GLOSSARIUM · MIRROR OF KARMA