人の世の栄華のはかなさをいう故事。唐の沈既済『枕中記』が伝えるもので、邯鄲の宿で立身を願う若者盧生が道士呂翁から枕を借りて眠り、科挙に及第して栄達し、罪を得て左遷され、また返り咲いて天寿を全うするまでの一生を夢に見る。目覚めると、宿の主人が炊いていた黄粱(こうりょう、粟)はまだ煮えていなかった。「邯鄲の夢」「一炊の夢」とも呼ぶ。この説話はのちに仙人呂洞賓の入道譚に取り込まれ、呂翁を呂洞賓に同定する解釈も生じたが、『枕中記』の成立が先行しており、呂洞賓伝説の側が著名な故事を後から吸収したものである。
GLOSSARIUM · GOLDEN MILLET DREAM