俳諧と絵画の双方で名を成した与謝蕪村が、宝暦四年(一七五四)ごろに描いたとされる妖怪絵巻。丹後や京の怪異を軽妙な筆で写し、うぶめ・化け猫・夜泣き婆などとともに、尻目として知られる「ぬっぽり坊主」を収める。古典の語句から妖怪を起こした鳥山石燕とは対照的に、視覚的な思いつきから怪を立ち上げる作り方が特徴で、俳諧の滑稽が造形に持ち込まれている。本格的な妖怪画集としてではなく余技として描かれたものだが、近代の妖怪事典に採録されて広く知られるようになった。
GLOSSARIUM · BUSON YŌKAI EMAKI